ペルチェ素子の働きにより冷たさを感じるネッククーラーにはデメリットもあります。実際に4機種を1シーズンにわたり使い倒した私が「デメリット」を解説します。
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ペルチェ素子ネッククーラーのデメリット
動作音がする(冷却ファン)
ペルチェ素子を利用したネッククーラーは、冷却動作中にファンの音がします。発生する熱を排熱するため、冷却運転時は常時ファンが動作します。送風のためのファンではないため、オフにすることは出来ません(加温運転時はファンは動作しない)
屋外での使用では特にファンの音が気にならず使える機種もあります(例えばレオンポケット4)が、機種によっては耳障りな音量でファンが動作するものもありました。
高温時の冷却性能の低下
気温が極めて高い炎天下で使用すると、多くのネッククーラーは十分な冷却性能を発揮することが出来なくなります。レオンポケットシリーズなどは動作環境温度を40度までとしていますが、中には35度までというネッククーラーもあります。
実際使用してみると、昼間の炎天下でも一定程度の冷たさ維持できるネッククーラーもあります(例えばレオンポケットシリーズ)が、炎天下ではほぼ効果を感じられないものもあるのも事実です。また、炎天下の昼間よりも夜間の散歩の時の方がネッククーラーがより涼しく感じられます。
排熱が課題
ネッククーラーで冷却する際に課題となるのが排熱です。冷却運転時に熱が発生するため、その熱をいかに外部に効率よく排出するかが、冷却性能を維持する上で鍵となります。排熱が悪いせいか、中には冷却運転をスタートして30秒も経たずに冷たさを全く感じなくなる粗悪なネッククーラーも存在します。
ネッククーラーは首元に装着し、服の中に隠れるようにして装着するものも多いですが、これだと服の中に熱がどんどん溜まってしまいます。レオンポケット4以降のように排熱口が服の上に出るようなアジャスターがあると安定して動作します。
動作には電力が必要
ペルチェ素子は電気を流すことで熱が移動します。動作するには必ず通電が必要です。
バッテリーの確保が必要となりますが、動作時間を長くするにはバッテリー容量を大きくなるため本体重量が重くなります。バッテリーのサイズと本体重量との間でトレードオフが発生します。
電源さえ維持できれば冷たさを維持できる点は、クールリングよりも優れていると言えますが、バッテリー残量に左右される部分はデメリットと言えるでしょう。
肌に直接触れさせる必要がある
ペルチェ素子による冷却は、金属板を肌に直接触れさせる必要があります。金属板が触れている箇所だけ、冷たさを感じることができます。
専用の装着バンドなどで取り付けるため、ウォーキング程度の強度の運動であれば特に半日屋外で活動してもズレなどが気になることはありません(レオンポケット4の場合)が、中には本体の装着感や重量感が気になるネッククーラーもあります。また、慣れないうちは装着に違和感があります。