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着るクーラーに使われているペルチェ素子とは何?仕組みを分かりやすく解説!

着るクーラーを支える根本的な技術である「ペルチェ素子」とは何か、小学生にも分かるように簡単に説明します!

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ペルチェ素子とは

ペルチェ素子とは、電気と熱の関係を利用して、電気を使って冷たくすることや熱を発生させることができる素子のことです。ペルチェ効果という物理現象に基づいて作られています。

ペルチェ効果とは

ペルチェ効果とは、熱と電気の関係を示す物理現象で、電流が流れると熱が発生することを示しています。具体的には、ペルチェ素子は、複数の異なる素材を交互に重ねたものでできており、これらの素材は、電気が流れるときに、異なる方向に熱を伝える性質があります。つまり、電気を流すと一方の側が熱くなり、他方の側が冷たくなるということが起こります。

ペルチェ素子のメリット

ペルチェ素子のメリットとしては、省エネや環境に優しい点が挙げられます。ペルチェ素子は、電気を使って直接熱を移動させるため、他の方法に比べて、エネルギー効率が良いとされています。また、フロンガスを使用する冷却装置に比べて、環境に負荷をかけないエコな素子として注目されています。

また、エアコンのように大掛かりな装置を必要としない点もメリットと言えます。「手のひらサイズ」におさめることが可能です。

ペルチェ素子は、日常生活に身近な素子であり、その利用はますます広がっていくことが期待されています。

ペルチェ素子のデメリット

ペルチェ素子は、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。以下に、主なデメリットを紹介します。

1.効率が低い:ペルチェ素子は、エネルギー効率が良いとされていますが、他の冷却装置に比べると、まだまだ効率が低いとされています。そのため、大きな冷却装置にはあまり使われていません。家庭用のエアコンでは「ヒートポンプ」と呼ばれる仕組みが利用されています。

2.発熱量が多い:ペルチェ素子は、電気を使って熱を移動させるため、発熱量が多くなります。冷却作用がある一方で、周囲の温度を上げることになります。そのため、狭い場所で使用する場合は、十分な換気が必要です。

機種によっては排熱が服の中にこもり、冷却性能を発揮できなくなる「着るクーラー」もあります。

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3.耐久性:ペルチェ素子は、素材を重ねた構造になっており、その間に熱膨張や収縮などの変化が起こります。そのため、素子内部の接合部分や電気配線などが劣化しやすく、寿命が短くなることがあります。ペルチェ式の冷蔵庫の場合、5年程度で寿命を迎えてしまう例もあるようです。「着るエアコン」は冷蔵庫よりも稼働時間が短いため、寿命は特に気にする必要は無いでしょう。

4.価格が高い:ペルチェ素子は、素材を重ねた複雑な構造になっているため、製造コストが高くなっています。そのため、他の冷却装置と比べると、価格が高くなることがあります。

ペルチェ素子の利用方法

「着るクーラー」以外にも、ペルチェ素子は以下のような用途で使われています。

  • 冷蔵庫(温冷対応)、ワインセラー
  • パソコン用のCPUクーラー
  • 水槽用クーラー
  • プロジェクター、カメラなど電子機器の冷却
  • 血液分析装置などの医療用機器

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